ゆうべつびと物語(7)町職員が文部科学省で研修 3代目・西村和真さん

令和5年度から計3人を文科省に派遣

 湧別町は文部科学省に令和5年度から3年にわたり、毎年一人ずつ町職員計3人を派遣させている。今年4月からは町総務課情報防災グループだった⻄村和真さん(28)が3代目として同省施設助成課に派遣され、公立学校施設整備費負担金や学校施設環境改善交付金の施行に関する事務を担当している。

文部科学省の武部新副大臣と西村さん
文部科学省の武部新副大臣と西村さん

 このほど文部科学省の武部新副大臣と懇談する機会を得て、副大臣から「国の教育行政にとって地方公共団体の役割は重要だ。国の仕組みを学び、町の行政に生かしてほしい」と激励を受けた。

 西村さんは湧別町開盛の出身で開盛小、上湧別中、遠軽高を経て平成28年に町役場に入庁した。西村さんは入庁動機について「町の資源を活用した地域活性化策や観光、農業、産業分野において新たなアイデアを提案し、持続可能な地域開発を進めることで、次世代にとって魅力ある町を残す取り組みに関わりたい」と語っている。

義務教育学校の整備手法など文科省から学ぶ

 町が文部科学省に出向させる目的は、町内に義務教育学校を整備していくにあたり最新の国の動向などを知り国との情報交換を円滑に行うためで、国の機関に職員を派遣させて視野を広げる職員研修の意味がある。

 この背景には、町では子育て関連施策に力を入れており、中1ギャップの防止、連続性を意識した9年間の小中一貫教育による学力向上を目指し、平成30年に芭露小学校と湖陵中学校が「芭露学園」に、令和5年に湧別小学校と湧別中学校が「ゆうべつ学園」に、そして令和7年に中湧別小学校、上湧別小学校、富美小学校、開盛小学校、上湧別中学校が「上湧別学園」に⽣まれ変わり、町内すべての小・中学校が9年制の義務教育学校になった。町内すべて義務教育学校という自治体は珍しく、整備の手法などの助言を受けるべく、文部科学省と協議を進めていく中で職員の派遣研修の誘いがあり、今に至っている。

文部科学省の武部新副大臣と西村さん

研修で視野を広げ町に生かす

 西村さんは文部科学省の経験を得て、「業務への基本姿勢」と「考え方」をしっかりと持ち帰り、今後の湧別町役場職員として業務を進めるにあたって、大事にしていくと同時に同じ町職員として働く者の参考となりたいと考えている。さらに、西村さんは「町ではこれまで義務教育学校として統合を進めてきたので、今後、廃校舎の利活用など文部科学省に関わる部分で必要な知識があると思います。担当業務以外の部分についても、興味を持ち自分の知識の向上に繋げ、残りの文部科学省での日々を過ごしていきたいと思っています」と述べている。

左が2代目の福山さん、右が初代の福本さん
左が2代目の福山さん、右が初代の福本さん

 初代の福本豊さん(40)、二代目の福山貴弘さん(39)ともに西村さんと同じ文部科学省施設助成課に派遣された。

 福本さんは平成20年入庁で派遣後、教育委員会教育総務課指導室、企画財政課未来づくりグループを担当している。福本さんは「派遣中に空き校舎活用やそれに伴う財産処分業務を担当していました。町の義務教育学校整備が終わり、空き校舎活用の検討が始まった令和7年度からちょうど空き校舎活用の担当となりましたので、空き校舎の活用事例や校舎を取り壊す際の財産処分事務の知識は、町の事業に直接活かせるかと考えています」と語っている。

 福山さんは平成17年入庁で派遣後、教育委員会教育総務課学校教育グループで教育行政に取り組んでいる。福山さんは「私たちが日々こなしている業務は、文部科学省から見ればその町の意思として映るため、疎かにしてはいけないものであり、文部科学省の方々の教育に対する考え方や熱意などを間近で聞くことで、一つ一つの業務の重要性をより実感しました。文部科学省の研修は今後、(町の行政を担当するにあたり)大きな財産となると感じています」と話している。

(取材・文/ふるさと特派員 清宮 克良)