令和4年度の田渕隊員の「活動リポート」
令和4年度
2月16日 シカ肉試食会を開催しました
2月16日(木曜日)に錦研修センターで、ジビエ(鹿肉)の試食会を開催いたしました。

ジビエ事業の継承を進めていくにあたって、まだまだ世の中に鹿肉を食す文化が浸透していないなぁと感じたので今回開催いたしました。今までお祭りや水産林務課のイベントのお手伝い等に参加することはありましたが、地域おこし協力隊員である自分が主催者となってイベントを開催するのは初めての試みだったため大変緊張しました。
とはいえ、やりたいことのイメージは明確だったのであまり困ったりするようなことはありませんでした。あの人もこの人もとお招きしたい方がどんどん増えてしまい当初よりも大人数の会になってしまったのは少々予想外でしたが… またあまりにも大人数だといろいろ制約も出てくるため、今回は限られた方のみの会という形にさせていただきました。お招きできなかった方はまた次回ということで。


わたしは調理に関しては全くプロではないので今回のメニューのアイデア出しと調理は元地域おこし協力隊の野田さんにお願いしました。野田さんは町内でお菓子屋さんを開業しましたが、イタリア料理の修行もされていたとのことでご相談したところボロネーゼのパスタをやってみようということになりました。そして、私が以前から何回か作っていたローストヴェニソン(ヴェニソンは鹿肉という意味です)もやろうということでこちらは私もお手伝いしながら調理させていただきました。


皆さんに試食いただいた結果としては、「くさみがなくおいしい」「言われなければシカと思わないくらい自然に食べられる」「ソースとマッチしている」など大好評をいただき、試食会を開催した甲斐がありました。また、アイデアや今後についての意見も多数いただき事業継承のヒントとして生かしていきたいと考えています。

今回、個人的に良かったと思ったのは関係する皆さんにこれまでの経緯や自分がこれからやっていきたいことの説明をできたことです。
湧別に来て多くのみなさんと関わりましたが、それぞれの方が「協力隊員」「シカの処理をする人」「ハンター」「移住してきた人」「役場の人」と別々の印象の中でお付き合いがあったものと思います。でも実は田渕にも別の側面や別のかかわりがあるんだなぁとか、鹿肉を売って生計を立てようとしてるだけじゃないんだなぁとか、わたしの違う面をそれぞれの方に感じ取っていただけたのではないかと思っていて、そこがとても良かったなと思っています。
ちなみに、今回説明に使った手法が「KP法(紙芝居プレゼンテーション法)」というもので、研修で学んだ方法を取り入れてみました。自己紹介の時に話した内容が簡潔な言葉でボードに残っていくので、ただ話すだけより印象に残りやすいそうです。
研修で学んだことも生かしながら、今後もジビエの普及に力を入れていきたいと思います!
1月16日 自然とのかかわり
少し遅くなりましたが新しい年になりました。今年は地域おこし協力隊員としても飛躍の年になりそうだなと感じておりますので、引き続き本年もよろしくお願いいたします。

先日、移住体験に来られた方とお会いする機会があり、湧別の自然や野鳥についてもお話しさせていただきました。このホームページでの写真なども見ていただいたそうで本当にうれしい限りです。最近は忙しくなってきたのでなかなか撮影に出る時間がありませんが、今後も湧別の自然をアピールしていきたいなと思っています。今回はストックの写真から一部をご紹介したいと思います。


湧別はハクチョウの渡りルートなので春と秋にはダイナミックに飛んでいる様子が見られます。湖に浮かんでいる様子はおとなしいですが、はばたいているさまは力強く何羽も連なって飛び去っていく様子は迫力があるので野鳥ファンとしてもうれしいポイントですね。


カワラヒワは春先、畑を耕したあとに群れで集まってくる鳥なので知ってる人には珍しくもないですが、意外と知らない人も多い鳥です(スズメだと思われてる?)。飛んでいると羽が黄色く見えて鮮やかですし、さえずりもキッコロキッコロと軽やかなので春になったらぜひ探してみてください。
オジロワシはもはや見ても驚かなくなってしまいましたが、やはり貫禄がすごいですね。大きく撮るにはカメラの性能が…


有害鳥獣捕獲活動でエゾシカを獲りに行きますが、当然見つけられずに終わることもあります。日没後は鉄砲は撃てないので強制的に終了となるわけですが、帰り道にふと見るとシカが… ということがよくあります。そんな時に撮った写真ですが、当然暗いので写りもあまりよくないですね。立派なツノの鹿がいるとその風格に感動しますし、一方であまりにもワラワラといるとこれは農家さんは困るだろうなとも思いますし、今はそんな半々の気持ちで彼らを見ています。これが自然と共に生きていく感覚なのかなぁと、なんとなく思っているところです。
ヒグマの写真はかなり人家から離れた山のきわくらいの場所で偶然撮ったものです。写真を見ると分かりますがもうすでに逃げているところで、ヒグマ本来の警戒心の強さがうかがえます(ちなみに望遠で撮ってさらに写真を切り取っているので300メートルくらい離れていると思ってください)。ヒグマについてはシーズンになると皆さん心配されますが、本来は臆病な動物であり、町中に出没させないためにはやはりエサとなるようなものを放置・ポイ捨てしないなど基本の対策が大事だなと感じます。

移住した最初の頃は動物の美しい写真が撮りたいなと思っていましたが、鳥獣被害とか野生生物の実際がわかってくるとそういうものよりもっと生々しくたくましく生きる写真が撮りたいなという気持ちになってきました。キツネの写真もいわゆる「かわいい写真」ではないですし、エゾヤチネズミを捕獲した少しグロテスクな瞬間ではありますが、これが本来の動物のありかたであり、町中をうろついて人間の残り物を食べてる姿はあるべき姿じゃないよなと日々感じます。
今後、仕事としても個人的な活動としても動物を捕獲することが含まれてきますが、その時も常に生態系や環境保全を念頭において、自然の本来のあるべき姿と人のかかわり方を考えながら取り組んでいきたいと思っています。
11月30日 定住に向けて
先日、広報11月号にてご報告させていただきましたとおりジビエ事業を継承するため日々作業の訓練や計画づくりに奔走しております。
そんな中、仕事のことも大事なのですがいよいよ住む家もしっかり探さなければならないと気付き、目下家探し中です。

そこで今回は自分が家探しをする中で気付いたことやお役立ち情報をご紹介してみようと思います。
まずは町のホームページで掲載している「住まいの情報バンク」です。下記のボタンがリンクになっていますので何はともあれご覧になってみてください。
一般の不動産サイトのように売買希望の空き家や土地が掲載されているので、気になる物件がありましたらここから問い合わせてみるといいと思います。
また賃貸をご希望の方もいらっしゃると思うのですが、その場合は不動産会社のサイトを見た方が早いかなと思います。賃貸情報や町の補助制度(湧別町では持ち家取得の補助制度があるので希望者は必見です)についてまとまっているページがあるので、こちらのリンクもご紹介しておきましょう。リンク先の「住まいの情報」の項目に詳細が掲載されています。
都市部からの移住希望者の方にアドバイスしておきたいのは全国の情報を網羅しているような大手の不動産サイトにはほとんど湧別町の情報は掲載されていないという点です。全く無いわけではないですが、やはり地元の情報は地元の不動産屋さんということかなと思います。近郊の不動産屋さん以外にも網走や紋別の不動産サイトにも少し掲載されている場合があるので細かいところまで拾いたい方はチェックしてみるといいでしょう。
湧別町の物件を見ると、意外に空き家があってしかも都市部よりかなりお買い得価格なので移住希望の方は注目していただきたいなと思います。ただし築年数の経過した物件も多いので、リノベーション前提で購入するのもいいかもしれません。
実は自分のような単身者だとなかなか高いハードルがありまして、アパート・マンションのような単身者の入居しやすい集合住宅がほぼありません。町営住宅はあるのですが、こちらは年齢等の条件があり自分の場合は入居できません。ですので、どうしても戸建ての物件を探す形になりますが、そうなると一人暮らしではもてあますくらい大きい家ばかりなのでこれも選びづらい…となってしまいます。(ただし、夢の戸建て!という野望はかなえやすいかもしれません)
また非常に個人的な希望なのですが、都心から来た者としてはせっかくなので市街地よりも郊外の自然を感じられる立地がいいなぁなどと思ってしまうのでますます候補の物件は少なくなってしまいます…
ぜいたくな希望ですが地元の方より移住希望の方ほど、うなづき度が高いのではないかと思います。
まだ少し時間はあるので地道に物件を探しながら協力隊卒業の準備を進めていきたいと思います!

10月26日 チューリップ公園植え付けのお手伝い
10月15日に行われた恒例のチューリップ公園球根植え付けボランティアに参加してきました。

チューリップは葉の出る向きが球根の向きで決まります。すでに球根が置いてあるのでこの球根の平らな面を同じ向きにしてセットしていくことで春になるとビシッと向きのそろった花壇になります。置いてある球根の向きをそろえて等間隔にセットするだけなので「そんなに大変な作業じゃないだろう…」と甘く見ていると意外や意外、地味に体力を使う作業です。


植えるときに状態の悪い球根があったら取り除いたりします。この時の丁寧な作業が春の満開チューリップにつながるのだなと思うと作業もついつい集中してしまいます。みんなで植え付けた球根が開花するのは来年の5月。結果が楽しみです。
ちなみに手伝いのおまけで球根を配布しているので、自宅に植える用でいくつかいただいてきました。昨年は植えるのが遅すぎ、水をやりすぎなど、チューリップ栽培の基本がなってなかったせいかやや失敗気味の結果で、多くのみなさんから「チューリップで失敗する人初めて見たよ…」とあきれられた始末。今年はうまく育てたいと思います!

9月22日 げんきの森で遊び隊イベントを開催しました
去る9月11日(日曜日)に志撫子のいこいの森にて「げんきの森で遊び隊」ツリーイングと箸づくりのイベントを開催しました。当日は14人の方が参加し、ロープを使った木登りや木のお箸づくりに挑戦していただきました。






当日は天気もよく、また3年ぶりの開催ということもあってたくさんの方に来ていただきました。皆さん、ツリーイングも箸づくりもあっという間にコツをつかんでいたので感心しました。あと余談ですが子どもたちのダッシュの瞬発力がすごい。おじさんは完全に運動不足を痛感しました…。

ツリーイングのお手伝いに来てくれた知床山考舎の方によると、以前(3年前)に実施した場所は若い木が生えてきて今回ツリーイングをするには適さないので少し手前の場所にしたが、森が再生している証を感じたと話してくれました。今回参加してくれた皆さんには単に木登りとお箸を作ったというだけでなく、森の営みを身近に感じてもらえていたらうれしいなと思います。
いこいの森には散策路もありますので、ぜひ森林のさわやかさや野鳥のさえずりを楽しんでいただければと思います。
8月16日 ツリーイングと箸づくりイベントの参加者を募集しています【9月11日開催】


長らく開催できていませんでした「げんきの森で遊び隊」ツリーイングと箸(はし)づくりのイベントが、9月11日(日曜日)3年ぶりに開催されます!
ツリーイングは簡単にいうとロープを使う木登りです。普段は登れないような高い木の上に行ったり、ハンモックに寝そべったりといった体験ができます。講師の先生がいらっしゃって安全に遊べるように指導してくださいますのでお子さんでも安心してご参加いただけます。(ただし小学校1年生以上の方を対象としています)
そしてセットで箸づくりも体験していただけます。木をカンナで削って最後に紙やすりでなめらかにして完成といった感じです。小さなお子さんでも作れるキットをご用意してますのでお気軽にご参加いただければと思います。自分で作ったマイ箸をおみやげで持って帰れますよ!


参加されたい方は下記リンクに応募フォームがありますのでそちらからご登録ください。(お電話でも受け付けています)
締め切りは8月31日(水曜日)です。
今回、ツリーイングを指導してくださる知床山考舎様のホームページです。普段は山岳ガイドをされているプロの方です!
午前と午後で2回開催しますので、お時間も都合が合わせやすいかと思います。2~3時間の短いイベントですが、これを機会にぜひ森と木に親しんでいただければと思います!皆さまのご参加をお待ちしております!
8月2日 春夏の野鳥
久しぶりに野鳥の写真をご紹介させてください。
忙しいなりにすき間の時間で野鳥観察を楽しんでいますが、普通はそんな片手間ではなかなかできないので(東京にいたころは張り切って「野鳥を見るぞ」と出かけるイメージでした)こんな感じで観察を楽しめるのも湧別のいいところなのかもしれませんね。






ほとんどの人は鳥と言われても、大きい鳥と小鳥とカラス…ぐらいのイメージしかないと思います。しかし、よくよく見るとこんなにきれいな鳥が湧別町内にいることがわかります。身近にいる鳥をいつもよりちょっとだけよく見てみる、というところから始めると面白いかもしれませんよ!
7月26日 いつか来た道
さかのぼること、26年前。(唐突ですみません)
学生時代の私は自転車旅行のサークルに所属していて、北海道にも毎夏に訪れていました。そしてその年は遠軽の駅から出発して網走でゴールというルート。記録も記憶もおぼろげなのですが、ルートを考えるとあの時実は湧別に来たのではないか、何なら食事の一つもしたのではないかともやもやしておりました。
そんな中、先日いい機会なのでアルバムなど整理していたところかなり決定的な証拠が出てきました。それがこの写真…

町民の皆さんならもうおわかりと思うのですが、なんとTOMの前の広場にある球体で写真を撮っていたのでした。昔のフィルムの写真なので日付が印字されていますが、1996年8月2日です。26年前に湧別を訪れていた!ちなみに一番左の緑の帽子をかぶっているのが18歳の自分です。

写真を見比べて思うのは、後ろに写っているオンコの木が成長しているということ。オンコは成長が遅い木なので26年でも少し葉が茂ってちょっと大きくなったというくらいにしか見えませんが、それでも月日を感じますね。
あと96年の写真の後ろには七夕祭りの飾りがあります。つまり当時は8月7日の北海道の七夕の時期に合わせて開催していて、しかも飾りも道路の方までつけていたのだなぁということがわかります。飾りも派手で大きいので豪華に見えますね(取り付けはかなり大変だと思いますが)。

ということで今回は、協力隊として来たときに湧別と何の縁もない状態で来たつもりでしたが実はほんのちょっとご縁がありました、という話でした。
7月20日 屯田七夕まつり
7月16日(土曜日)、17日(日曜日)と屯田七夕まつりが3年ぶりに開催されましたね。私も鹿肉販売の出店のお手伝いとして参加しましたが、湧別町にもこれだけの人がいるんだなぁと初めて実感して感動しておりました(なにせ移住してからイベントらしいイベントがなかったので)。
そして、学生さんの音楽・芸術のクオリティがすごい、花火が本格的など驚きポイントが多数ありました。お祭りへの情熱というか力の入り方が違いますね!


2日目はあいにくの雨で少し残念でしたが、会場を文化センターTOMの中に移して盛況だったようです。閉会のタイミングでかなり雨脚が強まっていましたが皆さんお帰りは大丈夫でしたか?


一つ個人的にカンドーしたのがお祭りの後のごみの少なさです。本当にほとんどごみが落ちておらず驚きました。よく花火大会やフェスの後のポイ捨てごみが問題視されますが、湧別では無縁の話だなぁと。皆さんにとっては当たり前、常識かもしれませんが、これは誇ってもいいことだと思います。
今後も美しくお祭りが実施できるよう、自分も微力ながらお手伝いできればと思っています!
7月12日 「ゆうべつ学」に同行する
湧別中学校では地元湧別のことをもっと知ろうという試みで「ゆうべつ学」という授業を実施されています。
今回はサロマ湖を知るということで、港湾管理のみなさんに特別な許可もいただき現地での講習が実現しました。

通常、三里浜キャンプ場より東側は立ち入り禁止となっているため(キャンプ場も営業期間以外は閉鎖)、なかなかアイスブームの施設を間近で見ることはできませんが、今回授業に同行することで見ることができました。



ちょうど湖口を船が通過する様子も見ることができて、私も生徒のみなさんと一緒にサロマ湖の漁業の営みを実感することができました。個人的にはサロマ湖に生息している野鳥や砂洲の植生も気になりましたが、そのあたりは今後個人的に観察していきたいと思います!
7月4日 センサーカメラがとらえた動物たち
役場ではヒグマの目撃情報があった場合に、そのままどこかに逃げていったのか、まだ周辺をウロウロしているのかを判断するため「センサーカメラ」というものを設置することがあります。これはカメラの前を動物が通過したときだけカメラが作動してどんな動物がいたのか記録できるという優れものです。

先日、五鹿山周辺にてヒグマ出没の報がありしばらく設置しておりました。残念ながら?ヒグマがカメラに映ることはありませんでしたが、他の生き物が何回か写っていたのでご紹介したいと思います。



私はエゾシカの駆除活動で山に近いエリアに行くことも多いので、シカ以外の野生動物もよく見かけます。ただ見るだけではもったいないので最近はカメラもいっしょに持っていくようにして可能な範囲で撮影しています。夕方や早朝はうまく映らないので(&カメラの性能もいまいち!)ご紹介できるほどのいい写真にはならないですが、やはり湧別の自然は豊かで奥深いなと実感しています。


皆さんもアウトドア活動の際には野生動物にも目を向けてみてください。ただしくれぐれもエサやり厳禁!ヒグマに注意しながら!でお願いします。
5月6日 ヒグマ出没情報のページを新しくしました

ご存知の方も多いと思いますが、湧別町のホームページではヒグマの出没情報を掲載しています。
今までは下の画像のように出没場所の地図を作成して一か所ずつ掲載していました。



今回、Google Mapを活用し、湧別町の地図に出没地点を落とし込むことで見やすく、また過去の情報と比較しやすくしました。実際のページと同じものを下記に掲載しましたので操作してみてください。



この機能によりお住いの近隣の地域の情報だけを簡単に探せるようになり、また過去の情報と比較しやすくなりました。
表示されているアイコンの意味は次のとおりです。



令和元年度からの情報を掲載しており、最新の情報は順次更新していきますので時々チェックしていただければと思います。
ちなみに湧別町全体で表示すると、山間部での目撃は意外に少ないように見えます。ですがこれは『目撃する人がそもそもいない』からであって実際にはたくさんクマが生息しているものと推測されます。知床半島では2平方キロメートルあたりに1頭生息しているそうで、さすがにそこまでは多くないとは思いますが山間部でお仕事をされる方、山菜取り等に出かける方は十分注意していただくようお願いいたします。
湧別町のホームページが新しくなった際に、ぜひ試してみたいと思っていたアイデアを今回ようやく実現できました。今後も町民のみなさまが便利に閲覧できる工夫を盛り込んでいきたいと思います!
参考情報
令和3年度
3月31日 言葉の違いと意外な共通点
雪解けも進み春の空気が漂ってきた年度終わりの節目の日ではございますが、今日は全く関係のない「言葉」のことでの気づきを書きたいと思います。(節目の思いはまた改めて書きたいと思います)
業界言葉と方言は違う
移住して最初の頃は聞きなれない北海道弁に右往左往することも多かったですが、最近はだいぶ分かるようになってきました。とはいえ今振り返ると「?」な言葉がたくさんあったように思います。
例えば林業現場では木が腐っていたり、舗装されていない道が雨でぐちゃぐちゃになってるのを「あめっている」と表現したりします。最初は雨でドロドロになっているから「雨っている」と言っているんだろうと思っていましたが、皆さんご存知のとおり、北海道弁で腐っていることを「あめる」というわけで、ちょっとした勘違いがあった覚えがあります。
勘違いといえば「かけや」という道具があります。木の杭を打ち込むための専用のハンマーのような道具のことですが、私はこの言葉を知らなかったので道具も方言で言うんだなぁと思っていたらこれは業界用語で、日本全国作業現場のみなさんはよく使う言葉のようです。意味が通じればどっちでもいいのですが、方言なのか専門用語なのかなんともややこしい話です。
一方で本当に方言で呼ばれる道具もあって「デレッキ」がそうですね。デレッキ(もしくはデレキ)は昔の薪や石炭のストーブで使う灰集め用の棒のことで本州では「火かき棒」と言います。実は自分は北海道に来る前に本で読んで知っている言葉だったのですが、湧別の数人の人に「なんですかそれは?」と聞かれてしまい逆にびっくりしてしまいました。昔のストーブが廃れたことで言葉も失われていったのかもしれませんね。(といいつつ、薪ストーブは復権しつつありますが)
言葉の使い方の違い
なまら、しばれる、はんかくさい、のような言葉そのものが本州と違うというのは話題に上がりやすいので割と早い段階で知ることとなりますが、言葉の使い方が違うというのはしばらく気づかないものです。
例えば「○○しさる」という言い回しは意味はなんとなく分かるので特に困ったりはしなかったのですが、あとから北海道の独特の言葉遣いで興味深いなと思いました。
他には会議や集まりに誰が来るか聞きたいときは「今度の集まり、誰々が来るの?」と聞くのも一瞬聞き流しそうになりますが、この「誰々」と複数形で聞くのは北海道の独特のいいまわしだそうです。標準語では大勢が来る場合でも「誰が来る?」で済ませるのでこういう種類の言葉の違いもあるんだと思ったと同時に、英語的な複数表現になるのは不思議だなと思いました。
意外な関西との共通点と便利な方言
不思議といえば、関西出身の自分が何の違和感もなく使える言葉があって、それは「なんぼ」です。関西人は値段を聞くにも「それなんぼ?」というくらい、数量は全てなんぼで表すのですが、北海道の人も「なんぼ」を使うので驚きました。ここは全く変換不要、ネイティブの関西弁のまま通用するのでとても面白いなと思います。(イントネーションはちょっと違いますが)
あと湧別にきてすごく便利な言葉だなと思ったのは「いずい」ですね。標準語だと「居心地が悪い」「おさまりが悪い」「具合がよくない」というくらいのニュアンスだと思いますが、いずれにしても言葉が長ったらしいので、これを端的に「いずい」で収められるのはとてもいいなと思いました。積極的に使いたい北海道弁ですね!
任期の半分が過ぎて
着任してから一年半が経過し言葉以外にも作法や文化的なものもじわじわと分かってきて、ようやく自分も道民、湧別町民、が板についてきたかなと思っております。
と、いいつつまだまだ知らないことも多々ありますので、引き続き勉強させてもらいながら「湧別ライフ」を満喫していきたいなと思います!


2月1日 冬の釣りについて
皆さんは冬に釣りはされますか? 湧別町では凍結する湖や川の上で釣りをされている光景が普通に見られます。

釣り自体は楽しい冬のレクレーションのひとつと言えますが、安全面には十分気を付けていただきたいので、役場では随時見回りや注意喚起の看板を設置しています。
車でお越しのみなさんへ

停める場所がないからといって交差点付近に駐停車すると見通しが悪くなって大変危険です。交差点の角から5メートル以内には絶対に駐停車しないようにしましょう。
ごみを捨てない

本当にごく一部の方だけだと思いますが、いらなくなった釣り具や食品の包装を捨てていく方がいます。これも絶対にやめましょう。そこらへんに捨てたごみは(たとえ川に直接捨てなくても)流れ流れて海にたどり着きます。海からさまざまな恩恵を授かっている我々は絶対にごみを捨ててはいけないと思います。
氷の厚みに注意する

その日の気温によると思うので難しいポイントですが、氷が薄くなって危険な場所もありますので注意しながら釣りを楽しんでください。このへんの見極めは長く生活していらっしゃる皆さんの方がわたしより的確だと思います。自分の場合は踏んでいいのかダメなのかよく分からずおそるおそる行ったら意外と大丈夫だった… というような感じです。わたしのような初心者は特に注意しましょう。


今回、初めて凍った川や湖の上に立ちましたが、普段はここは水面の上で簡単には来れないところなんだなと思うと不思議な気分になりました。特にシブノツナイ湖は地面の起伏も全くない延々とまっ平らの空間だったので特に不思議な光景に思われました。
湖面には雪で塚が作られておりススキなどの草が立てられていました。何か意味があるんだろうと聞いてみたら「なんでしょう…?」とその場にいた全員がわからなかったという謎の雪塚です。どなたかが遊びで作った塚かもしれませんが、これだけだだっ広いとなんとも心もとないというか目印になるものがないと落ち着かない気がして、これを作りたくなった気持ちはとても分かる気がしました。もしかしたら本当に実用的な目印として作られたのかもしれませんが!
今回は氷上の釣りについてお伝えしました。芭露川では主にチカやキウリウオ。シブノツナイ湖ではワカサギが釣れるそうです。防寒対策をしっかりとって皆さんも楽しんでいただければと思います。
12月23日 近況
皆さまお久しぶりです。
あまりにも更新がないのでもしかして9月末で退職したのではないかと思われていたかもしれませんが、どっこい協力隊2年目鋭意奮闘中でございます。行政事務的なことから、協力隊としての学び、あるいは林業や鳥獣被害対策の研修などなど(こちらは広報ゆうべつに掲載されます)毎日忙しく過ごしていたためすっかりホームページ更新がおろそかになっておりました。申し訳ありません!
生活のこと
1年が経過して湧別の四季を体感しました。皆さん夏は北海道でも暑いでしょとおっしゃいますが、本州に比べて湿気が全く無くカラッとしているので非常に過ごしやすかったです。車のエアコンをほとんど入れなかったほどです。冬の寒さの厳しさももちろん感じましたが十分やっていけるという確信もありました。大変なこともありますが、最初に入植した屯田兵の皆さんはこんなもんじゃなかったろうと思いをはせ、むしろ楽しむくらいで日々生活しています。
花のこと
リラ街道応援団としてこの10月末まで2区画をお世話させてもらいましたが、皆さん水やりに大変苦労されたシーズンだったかと思います。自分もどうやったら効率良く水やりできるかだいぶ悩みましたが、今年は根性で乗り越えるだけになってしまい反省が残りました。来年は水やりの効率化と新しい花にチャレンジできればなと思っています。

狩猟のこと
狩猟免許は取得したものの、専ら役場職員としての業務のみで個人的な活動はしていませんでしたが、今年の猟期から時間を見て山に入っており、なんとかハンターの仲間入り?となりました。
とはいえ、いまだシカは獲れず… です。当たり前ですがそんなに簡単にはいきませんよね。
自分のこともですが、町民の皆さまにも狩猟の制度や法律が分かりにくい、湧別町の狩猟関連の補助制度について教えてほしいと声を頂いております。今そのあたりを分かりやすくご説明できないか、思案していますのでうまく仕上がった暁にはホームページの情報を更新したいと思っています。今しばらくお待ちください!

9月10日 タカを助ける
先日、ケガをしたタカを保護したと一報があり急きょ対応しました。

駆けつけるとそこには飛び立とうともしないおとなしくなった猛きん類が… おそらくどこかケガをしてるのであろうということで、しかるべき機関に引き渡すまで保護することになりました。どうやって安全に保護するかみんなで考えましたが、ちょうど自分が移住するときに引っ越し業者からもらったダンボールの衣装ケースが残っていたのでこれを活用することに。いい具合に雨風がしのげるケージにできました。大人しくしてくれているので他の動物が気付いて襲われるということもないでしょう。

実はこの時点で「タカだな」ということは全員分かったものの、何という種かさっぱり分からないという状態でした。わたしもバードウォッチャーのはしくれとしてよく観察してみましたが初見ではトビではないしノスリかな?と思った程度でどうも分かりません。そこで家から野鳥図鑑を持ってきて子細に観察しました。
そもそもサイズ感が小さいのでおそらく子ども(幼鳥)だろうなとあたりをつけ、オオタカかクマタカの幼鳥であろうと推測しました。


なぜこんなに頑張って種類を調べるかと言いますと、希少な鳥である場合に後々の対応が違ってくるからです。オオタカは昔は非常に数が減っていましたが今は回復して一般的な猛きん類となっています。クマタカであれば国内希少野生動物となります。ただいずれにしても最終的な判断は専門の方がやるので、あとはなんとか生き延びさせるために引き渡しまでしっかり預かる、ということになりました。
途中、水もエサもほとんど口にしていない様子で心配でしたが無事対応の調整がつき、保護から2日後に北海道オホーツク総合振興局を通じて猛きん類専門の機関に引き渡しが完了しました。ちなみに撮影した写真での専門機関の方の判定は「オオタカの幼鳥」ということでした。愛鳥家として面目躍如?です。

とは言いつつ、動物病院や専門機関のようには対応できなかったため、知識不足だったなと思うところではあります。今回はいろいろな方のご助言、ご協力が功を奏してうまく保護できました。休日にも関わらずご対応いただいた皆さま、ありがとうございました。ただし、いつもこうできるとは限りませんし、むやみに野生動物に近づくことは危険もあるため(牙、くちばし、カギ爪などはケガのおそれがあります。また、病気を媒介するおそれもあります)、町民の皆さまには傷ついた動物を見てもやたらに近づかない、無理に保護しないことをおすすめします。特に素手でさわらない、さわってしまったらよく手を洗うということが大事です。

こういった野鳥の対応や保護についてのパンフレットが湧別庁舎に置いてありますのでぜひ手にとって見てみてください。保護の対応方法だけでなく、釣糸を放置しない、生ゴミ等を屋外に放置しないなどのルールもとても大事ですね。
今回のオオタカが無事自然界に帰っていくことを願っています!
こちらのページもぜひ参考にしてください!
8月27日 湧別の食材
湧別にきてからかれこれ一年がたとうとしています。前職では仕事が忙しくて自炊する時間もなかなかとれなかったので、料理というものをほとんどしていなかったのですが、湧別に来てから不思議と料理をするようになりました。食材がどれもおいしいということが理由の一つかもしれません。
そんなわけで今回は湧別の食の恵みを通して田渕が作ってみた料理をご紹介したいと思います。




ラクヨウキノコ、タランボ、コクワ… などなど、山菜もよりどりみどりです。そろそろ秋の山菜シーズンになってきますが、くれぐれも皆さんヒグマ、ケガ、遭難にはご注意ください。夢中でとっているとえらいことになりますよ!






サクラマス、アメマス、カラフトマス… マスだけじゃないですが、魚をさばくのもこなれてきました。マスはシャケと甲乙つけがたいくらい美味しいですよね。だけど、ニジマスは外来種なんであきまへん。賛否あるかもしれませんが放流したら駄目ですよ(オショロコマとかヤマベがどんどん減ります)
他にも謎の魚シリーズとかいろいろな食材にチャレンジしましたが、あまり長いとおなかがグーペコになるのでこのへんにしておきます。これからも湧別のおいしい食材を開拓していきたいと思います!
7月14日 日曜大工で棚づくり
私が湧別に引っ越した時に、なるべく荷物を少なくしようとしたため我が家には棚のような家具が圧倒的に不足しています。

そこで棚を買おうと思ったのですが、せっかく水産林務課に勤めているからには木材を使って自分で作ってしまおうと思い立ち、DIYにチャレンジしてみました。棚といっても本格的な家具ではなく棚のように見える台程度のイメージです。木材も安くはないので必要最小限で美しく見えるようにしてみます。











ということで完成です!雑に置いていた本もきれいに並べることができ、まとまった雰囲気になりました。ニスの塗りだけが残念ですが… ここは練習と経験で次回はもう少しうまくやりたいなと思います。
引き続き、木工製品を通じて木の魅力をお伝えしていければと思います!
6月28日 木材の計測検査
最近の田渕の仕事は行政事務や鳥獣管理関連が多いので林務のお仕事をご紹介する機会が少なくなっておりましたが、久し振りに林務の仕事がありましたので紹介させてください!
上湧別中学校の校庭に生えてる木を伐採してほしいというご依頼があり、業者の方にお願いして100本以上伐採していただきました。その木は町有地に生えている木なので町の財産ですから売却することになります。その際にどんな木がどれくらいの太さで何本あるかが分からないと買い取る業者さんもお値段をつけられないため、切り倒した木(原木といいます)の本数と直径を計測します。

業者さんが種類別に積んでくれているのでこれらの直径を測定していきます。(グラウンドの一部を置き場として使わせていただきました。運動部のみなさんご協力ありがとうございました!)
測るときはなるべく木の年輪の中心を通しながら最短になりそうなところを取ってカウントします。真ん丸の木であれば簡単ですが、半分以上は少し楕円だったりいびつな形であったりするのでこれが意外と難しいです。でも自然のものですから当たり前ですよね。

直径をとったら年輪のところに数字を書き入れます。ちなみに木の皮の部分は材として使われないので計測時に含めてはいけません。大きいものだと直径40センチメートル以上、中には50センチメートル以上のものも!測るのも大変ですが、切り出した皆さん、これから運搬される皆さんも本当に大変だと思います。みなさん安全第一でよろしくお願いいたします。
こうして切り出された原木は町の財産として売却されます。校庭の整備もされ、切った木も無駄にはならないわけですね!

余談ですが、作業中に森の中から「アーオ、アーオ」と鳥の鳴き声が聞こえていました。これは「アオバト」の鳴き声ですね。緑色のきれいな色のハトですが、僕はまだ姿を見たことがありません。なんでもこの鳴き声が聞こえると雨が降るという言い伝え?のような話もあるそうです。上中のみなさんもぜひアオバトの鳴き声に耳を傾けてみてください。
6月15日 今年のホタテ
先日、ホタテ漁に同行させていただいたのでリポートします。
サロマ湖の氷がとけて、まずその年の稚貝を外海に移し替える稚貝放流が行われますが、それが終わるといよいよ今年の本格的なホタテ漁が始まります。外海で育ったホタテは一気にとりつくさぬよう、毎年決められた海域でのみ漁をします。いけすではないので養殖とは違うのですが、しっかり管理し海洋資源を大事にしながら漁をしていくところは非常に現代的だなぁと感じます。
自分はオホーツク海に出るのは初めてで、フェリーのような大きな船は何回か乗ったことがありますが漁船で外洋に出るのも初めてです。船酔いでご迷惑をかけないか心配でしたが… 当日の天候は曇りで北風が肌寒かったものの波は穏やかで何とか具合が悪くならず大丈夫でした!

ホタテ漁では「桁網」を海に投げ入れて海底に沈んでいる貝をとります。この桁網はホタテ漁では通称「八尺(はっしゃく)」と呼ばれます。一見ただの網に見えますが、金属のリングで編まれていて先端には熊手のようなカギがついており巨大な潮干狩りをしているかのように海底の砂の中から貝をすくっていきます。八尺は毎年、漁師さんの手編みで作成しているそうです。すごい!
この八尺を操るクレーンさばき、海に投げ入れる連携アクションが本当に見事で、緊張感をもって作業されているのが印象的でした。


とれた貝は、売り物になるものとそうでないものを船の上で選別していきます。この選別の手さばきもプロの技で、貝が空中を飛びながら船は港へ全力で戻ります。船頭さんの話しでは、今年のホタテは甘みがあってアタリ年!とのことでした。
ちなみに毎年恒例の湧別町名物ホタテの無料配布!ですが、今年も湧別漁業協同組合様からホタテを各世帯に25枚のご提供!そして今年はさらに湧別町農業協同組合様からバターを各世帯2個ずつ!ご提供となりました。ありがとうございます!
これも本当にすごいことですね。移住してきた自分は初めて聞いた時にびっくりしました!みなさんもぜひ湧別産のホタテ&バターを楽しみにしてください!



5月31日 雑草いろいろ
まだまだ肌寒い日もありますが、ようやく野山が緑に覆われてきました。チューリップも本当に色とりどりさまざまな種類を見ることができ、初めて迎えた湧別での春に感激しています。
そんな中、はたと道路から空き地を見てみるとなんだかやたら黄色い、ということに気づきました。どうも違和感がある。

本州(関東)でももちろんタンポポは普通に見られるありふれた春の雑草ですが、こんなに群生というか密生してどこにでも生えてるというのはあまり見たことがありません。雑草といえども逆にすごいんじゃないか、と思ったりしましたが、湧別の人からすると当たり前の光景で雑草以上の何モノでもないという感覚のようです。というか全道的にそんな感じみたいですね。
自分はタンポポでもこれぐらいまとまった数が咲けばきれいだなぁと感じますが、そうは言ってもあくまで雑草。しかもそのほとんどは外来種のセイヨウタンポポなのでせっせと抜いていく必要があります。

我が家の庭もご多分にもれず、タンポポやらヨモギやらスギナがばっこしていますので、これらを駆逐していきます。大事なチューリップがあるのもそうですが、家庭菜園にも挑戦してみたいので除草剤は使いません。よって、すべて手作業で取っていきます。


タンポポもそうですが本当に立派な根っこが地中に埋まっており、ちょっとした怪物のようでもあります。ですが、よく観察すると、根っこの周辺には必ずミミズやダンゴムシ、時々白い菌糸のようなものも見られたりします。植物の根っこの周辺だけで一つの生態系が形成されていることがよくわかります。彼らが土を耕し、有機物を分解して土が生まれ変わっていくのだなと思うとありがたい気持ちにもなります。といっても、土の養分もどんどん吸い取ってますが!
休みの日や空き時間を使ってちょっとずつ雑草取りを進めています。スコップ一つで土を掘り返して、時々 遠くの五鹿山を眺め、黙々と作業しているとカワラヒワやアオジのさえずりが聞こえてくる…
もしかしたら、かつてこの地に入植した屯田兵の皆さんもこんな気持ちで原野を開墾していたのかもしれないなと思いを馳せたりしました。



5月6日 木のサイコロ
先日、課内で何年か前に使った木工キットがたまたま見つかったのでいただいて作ってみました。


このキットは6枚の木の板と色紙、鈴が入っていて組み立てると鈴がカラカラ鳴るサイコロが出来上がります。ボンドで簡単に組み立てられ、しかも木は一枚一枚が異なる樹種で、さらにその木の葉がくり抜きでデザインされています。木によって違う手触りも感じながら、実際の木の葉の特徴も覚えられ、ものづくりの面白さも体験できるという非常に考え抜かれた素晴らしいキットだなぁと思いました。
説明書は字だけなので、樹種と貼り合わせる色紙を間違えないように慎重に組み立てます。写真で撮り忘れてしまいましたが、鈴はサイコロを組み上げる前に入れないとあとからではどうにもならないので要注意です。
ズレができないように端をしっかり合わせて、ボンドが固着するのを待ちます。小学生くらいだとここが一番難しいかもしれません。最近のボンドは高性能なので2,30分待てばそこそこ固まりますが、念を押して一日待ちます。

翌日、しっかり固まったサイコロを見ると年月が経過しているせいか木の歪みがありところどころ隙間が生じていました。ここは説明書には記載はないですが独自の工夫として木工パテで隙間を徹底的に埋めます。ヘラできれいに埋めていき、これも完全に乾かす必要があるので一日待ちます…

隙間がしっかり埋まったので余分なパテをサンドペーパーで削りつつ、本来の木の表面も一緒に磨いていきます。特にサイコロとして機能させるためには真四角では転がりませんから、角も少し丸みをもたせながら削ります。
粗削り用の60番のペーパーから始めて番手を落としていきながら徐々になめらかにしていきます。通常の木工であれば400番くらいまでで十分表面はなめらかになりますが、完全な趣味で3000番台まで段階的に磨いていきます。ここまでやると、木の地肌なのに全く抵抗を感じないくらいすべすべになります。この磨き作業だけで2時間使ってしまいました。明らかにやりすぎですが、磨きというのはなんとも楽しいものですね。

すべすべつるつるになったサイコロに最後の仕上げ。アマニ油でコーティングします。いわゆる化学系のニスやワックスではないので保護力は弱いですが、自然なツヤ感が出るためよく使われるようですね。こちらも経年劣化してないか気になりましたが、アマニ油は防腐効果も高いそうで問題はありませんでした。香りもいいし個人的にも持っておきたいアイテムですね。
こういった処理は薄く塗布して乾いてから重ねぬりで厚みを出すといい感じになるので、塗布、拭き取り、乾燥(一日)を三回繰り返してようやく完成!
少々手間ひまをかけすぎましたが、なかなかいい作品が出来上がりました。パテのはみ出しが削りきれてないですが、このへんは味わいということでご勘弁ください。こういった木工の面白さもいろんな方にお伝えしていければなぁと思っています。
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