田渕隊員の「活動リポート」(4月28日更新)

令和5年度

4月28日 道具の手入れ

 新年度になり、役場の仕事を離れてジビエ(鹿肉)事業の継承の準備にまい進しています。
 そもそもどんな仕事をしているのか?と皆さん疑問に思われると思うのですが、そちらは広報5月号にて記事にしましたのでそちらをお待ちください。

包丁の写真
精肉用の特殊な包丁です

 唐突に刃物の話になりますが、先日ふと刃物をちゃんとメンテナンスできるようにならないと、と思い立ちました。自分は捕獲した鹿をジビエとして活用しようとか、鳥獣被害対策に貢献しようとかそういう理念的なところから入ってしまったので、そもそもお肉をさばく人として道具にもっと注目しなければならないと、そう思ったわけです。
 「包丁」というのは中国の料理の達人の名前が語源だそうで、お肉をさばくスピードがすごかったのでのちに料理用の刃物を包丁と呼ぶようになったということなんですが、そのぐらい料理(食べ物)には道具としての刃物が重要だという話なんです。
 そういうわけで包丁の研ぎ方の一例をご紹介します。

研いでいる写真
刃のついているほうが自分側です

 写真のように刃を自分の側に向け、角度をつけて滑らせます。砥石はいろんなタイプがあるので使い方をよく見て使用しますが、基本的には水でぬらすということが大事です。あと奥に向かって下り坂にして、刃の向きに対して巡目に滑らせたときに力が入るようセットします。(逆目の時は浮かせ気味に引くのがいいようです)
 研いでいるとだんだん刃の研いでいる面の逆側に反り返りの引っ掛かりを感じるので(時々手を止めて指の腹で触って確認します)、そうすればうまく研げてる証拠です。最後に逆側をさっとなでるように研いで、返りを取ったら仕上がりです。
 ※これは片刃の場合のやり方です。刃物の種類や人によっていろいろなやり方があると思いますので一例と思ってください!

研ぎ棒の写真
洋画とかでたまに見る研ぎ棒(シャープナー)

 ちょっと特殊な道具ですが、研ぎ棒というものがあります。
 棒の部分に刃物をあててシャッシャッと滑らせると切れ味が戻るという代物です。作業中に使う簡易の砥石みたいなイメージですが、実は研いでいるわけではなく、刃についた脂などを落として切れ味をよくするための道具ということらしいです。実際に切れ味は多少戻るので意味はあるのでしょう。
 刃の当て方が難しく、適当にやってると意味ないらしいので練習が必要です。

 切れ味のいい刃物は何より安全です。切れない刃物で頑張っていると余計な力が入りケガする元となります。また、切れる刃物のほうが段違いで作業スピードが早いです。何につけてもメンテナンスは大事だと思いますが、刃物においても同様だと感じました。
 弘法は筆を選ばず、と言いますがその意味するところはどんなものでもということではなくて道具の種類やグレードのことを指しているのであって、手入れだけは上手の人ほどしっかりやるものだと思っています。今使っている刃物は師匠のお下がりですが、ひとまず新品にこだわらず手入れをしながら大事に使っていきたいと思います。

煮沸消毒の様子
バケツと低温調理器で自作した煮沸消毒器

 ちなみにこちらは、既製品の組み合わせで自作した刃物の「煮沸消毒器」。単純な作りですが煮沸消毒に必要な83度のお湯をキープしてくれる優れものです。もちろん厨房器具や医療用器具で専用の製品はありますが、かなりお高いので自分で作ってみました。費用は約10分の1! 衛生面での性能は全く変わりません。こういうアイデア勝負のDIYするのも面白いですね。


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